MAN Energy Solutions

MAN Energy Solutions社(以下、MAN社)は、ドイツに本社をおく船舶用エンジンライセンサーです。主に外航船に搭載される低速エンジンにおけるシェアは世界で約90%。圧倒的なトップシェアです(図1)。

当社は1981年にそのMAN社の承認を得て、(株)三井E&Sマシナリーから「槙田-三井-B&W 6L35MC /MCE」というエンジンの製造・販売におけるサブライセンスを取得。その翌年「槙田-三井-B&W 6L35MC 4080馬力」の世界初号機を完成させました。そしてこの「6L35MC」エンジンは、その後も改良を重ねて世界トップシェアを獲得。今でも注文のある驚異的なロングセラーとなりました。

現在、当社が手掛けるエンジンはいずれも1~4万トン級の船に搭載される2万馬力程度までのものですが、そのトータルでもマキタは世界のトップシェアを保持しています(図2)。

図1:低速エンジンの世界シェア 2016年に竣工した2,000DWT以上の商船に搭載された主機関の集計 出典:各国舶用機関の生産動向 (第42号)/日本舶用工
図2:低速小口径エンジンの世界シェア 2016年におけるピストン径46cm以下のシェア 出典:Reference List/MAN D&T

“世界初号機”を造る。

1982年に、当社は「槙田-三井-B&W 6L35MC 4080馬力」の“世界初号機”を完成させました。“世界初号機”とは、MAN社の提供図面をもとに世界ではじめて製品としてカタチになったエンジンのこと。つまり各国にあるMAN社のライセンシーのうち、ただ一社が“世界初号機”を手掛けるのです。設計図面はあっても、それをカタチにするのは容易ではありません。「既存設備では対応できない」「図面どおりの作業は不可能」「こうしたほうが効率的では」…と、時には図面の変更をMAN社と折衝・交渉することもあります。手間がかかる。コストもかかる。完成しても海上運転で思わぬトラブルが発生することさえある。リスクのある選択です。それでもなお、初号機を手掛けるのはなぜか? それは初号機を製品として完成させるプロセスのすべてが独自のノウハウとなるからです。そこには技術者としての“唯一無二の成長機会”があるからです。

2014年7月、当社は再び“世界初号機”を完成させました。「S30ME-B9」。従来のエンジンとは制御機構がまったく異なる新型エンジンです。今、船舶用エンジンには排ガス規制や省エネ・コストダウン要請に対応するための技術革新の波が押し寄せています。いわば30年ぶりの大きな転換点で、マキタはこれからも世界のトップメーカーであり続けるための新たなチャレンジを始めたのです。