1. ブログ
  2. 船での使われ方【エンジンを学ぶ】

BLOGブログ

船での使われ方【エンジンを学ぶ】

「エンジンについて知っていただきたいこと!」をテーマにお送りする「エンジンを学ぶ」Vol.3です。
第3回のテーマは「船での使われ方」です。
船に搭載されるエンジンの役目とはプロペラを回転させて推進力を得ること。
エンジンは船の心臓部とも称される通り、船にとって最も重要な設備の一つです。

■船の種類

ひとえに船といっても、その種類は多岐にわたり、代表的なものには商船(貨物船、客船、フェリーなど)、作業船(タグボートなど)、漁船、特殊船(海底ケーブル船、調査船など)があります。
船のエンジンについても、その船の用途によって求められる性能が大きく違ってきます。
例えば、特殊船に分類される海洋調査船などでは、前後進の推進能力だけではなく、その場にとどまり続ける定点保持の能力が重要となります。
また、タグボートなどは港内で他の船の着桟(※洋上の桟橋や筏、岸などに船を着けること)を助けるために非常に大きな出力が必要とされています。



■マキタのエンジンが搭載される船

現在、マキタで製造しているエンジンのほとんどは商船に搭載されています。
商船というのは、人や物を運ぶ船のことで、島国である日本の物流にとっては非常に重要な役割を担っています。

商船のエンジンに求められる性能はほとんどの場合で出力と燃費になります。
荷物を運ぶ商船の場合、運航業者(オペレータ)と船主の間で用船契約といわれる契約を結びます。
その用船契約の中には船速を規定する項目も含まれています。
船速はエンジンの出力だけで決まるものではありませんが、エンジンの出力が船速に大きく影響していることは言うまでもありません。
契約の船速をクリアするためにエンジンの性能は非常に重要な役割を果たしています。

現在マキタで製造している一番大きなエンジンが搭載される船はおおよそ全長が154mを超えるような大きな船となります。
その船が一日に消費する燃料を計算してみると、約38.8tonの燃料を消費することになります。(燃費172.1g/KWh、常用出力:9384KWで計算した場合)
現在の船舶燃料油価格(規制適合油VLSFO、¥71,500/ton)で費用を計算してみると、一日で約277万円分の燃料を消費していることになります。
船を運行するにあたって最もコストがかかるのは、エンジンの燃料代であり、この削減には船主、運航業者(オペレータ)とも大きな関心を抱いています。

■船のエンジンに求められること

また、船のエンジンに求められる非常に重要なことは、故障しないということです。
特に外航船舶の場合は、出航してしまうと、目的地に着くまでずっと航行を続けなければなりません。
長い航海の場合は1か月以上の航海となることもあります。
航海中にエンジントラブルで船が動かなくなった場合はその場で修理をしなければならず、その修理に時間がかかってしまうと期限内に荷物を目的地に届けることが出来なくなってしまいます。

現在マキタは小型外航船エンジンの世界トップシェアを誇っていますが、出力や燃費などの性能はもとより、故障のしにくさやトラブルのあった場合の対応などで多くの信頼を得ています。
今後もその信頼を高めていくことが出来るよう、各部署で協力しながら良いエンジンを造っていきます!

関連ページ
▼Cross Talk 次世代エンジンへの挑戦
https://www.makita-corp.com/recruit/professional/crosstalk01/